「まぁ、そうなの?」

司会をしていた奥さんが私の所に来た。

えっ?えっと…。

「あ、あのおばちゃん。
茉莉華の母ちゃんだぜ」

一緒に居た拓馬君が教えてくれた。

茉莉華ちゃんの?
どの子か分からないけど…そうらしい。

「初めてお会いするのかしら?
私は、茉莉華の母の竜ヶ崎です。
よろしくお願いしますね」

ニコッと笑顔で挨拶された。

うわぁー上品だけではなく
とても綺麗な人だった。

「あ、えっと…クローバー社で
編集の仕事をしています小野木です。
よろしくお願いします」

慌てて名刺を取り出し渡した。

「まぁ、編集者なんて立派なお仕事ね。
良かったら小野木さんもこちらに
参加して下さい。
人数は、多い方が助かりますし。
ねぇ皆さん」

周りにふると賛成する奥さん方。

しかし、そういう訳にはいかない。
部外者だし、睦月君達も一緒に居るから

「あ、いえ本来なら部外者ですし
お邪魔しました」

頭を深々と下げると慌てて
睦月君と拓馬君を連れて出て行く。

ハァッ…恥ずかしかった。

思わない恥をかいてしまったわ。

「おい。何をやってんだよ?おばちゃん」

拓馬君に呆れたようにツッコまれる。

うぅっ……情けない。

先生が保護者が終わり戻って来たのは、
それから15分ぐらい経った後だった。

「おい、お前。何をやってんだよ?」

先生は、眉を寄せながら
不機嫌そうに言ってきた。

「す、すみません……」

怒っている。間違いなく呆れ返られた。
すると拓馬君のママも来た。

「あ、母ちゃん!!」

「拓馬。もう大人しく待っててと言ったじゃない。
あの、すみません。
うちの子が、また迷惑をかけまして」

申し訳なさそうに謝ってきた。