「いや、どう見ても覗きだし」
そう言いながら拓馬君も睦月君と
一緒に覗き出した。
まだ、終わっていないようだ。
「それでは、係の方を…誰か希望はありますか?
それか推薦でも」
上品そうな奥さんが司会をしていた。
すると先生が手を挙げた。
「それなら俺は、力仕事を優先にしてください。
細かい作業は、苦手ですし
男の手も必要だと思うので」
「それは、大変助かるわ」
「まぁ、さすが藤崎さん。素敵…」
どうやら奥さん達にも人気みたいだ。
さすが先生。
ジッと見つめてると司会の奥さんが
「では、力仕事の方を藤崎さんに頼むとして
他に希望ある方は…あら?どちら様?」
ギクッ!!
見つかっちゃった!?
どうしよう…。
「あの…すみません。
ちょっと……覗いてしまいました」
「涼花!?」
先生は、驚いて私の名前を呼んだ。
うぅ……後で怒られちゃうな。
「そちらの方は、藤崎さんのお連れ様かしら?」
司会をしていた奥さんが尋ねてくる。
すると別の奥さんが
「あの方って藤崎さんの担当編集者の方よね。
たまに睦月君を迎えに来てるもの」
そう言ってくれた。
何度か来てるので顔を知られている。



