悩むのは、やめよう。
せっかくの誕生日パーティーなんだから
暗い話より楽しい話をしたい。
先生が笑ってくれるようなパーティーにしたいから
私は、モヤモヤする
気持ちを忘れるように楽しんだ。
その後。
私達は、浜野さんが用意してくれた
ホテルの一室に泊まる事にした。
眠ってしまった睦月君をベッドに寝かしつける。
「睦月君。寝ちゃいましたね」
「あぁ、そうだな」
先生は、そう言うとコップに水を注ぎ
飲みながらソファーに座った。
窓から見える景色もまた綺麗だった。
私は、睦月君に布団を掛けてあげると
先生の所に行く。
色々あって渡しそびれたプレゼントを渡すために。
「あの……先生」
「あっ?何だ?」
「これ……私と睦月君から
誕生日プレゼントです」
おずおずと2つの綺麗にラッピングした
プレゼントを差し出した。
「……俺にか?」
「はい。睦月君のは、先生の似顔絵です。
一生懸命描いていたんですよ。
先生に渡すために」
「ふーん」
そう呟きながらリボンをほどくと
似顔絵を見る先生。
無言で見つめていた。
「上手ですよねぇ~先生の似顔絵」
私は、ニコニコしながら言うと先生は、
「これが、俺か?
全然似てねぇーな。おい。」
バッサリと否定した。
先生…!?
せっかく睦月君が描いた似顔絵なんですから
否定しないで下さい!!



