イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)


それが、また悲しくなって泣いてしまう。

結局。泣き疲れてそのまま寝てしまい
目を覚ますと辺りが暗くなっていた。

「いけない…あのまま寝ちゃったわ!?」

泣き疲れて寝てしまうとか
子供みたいで恥ずかしい。

慌てて電気をつけて時計を見た。
もう日付が変わっていた。

深夜の12時9分か……。

着替えて歯磨きして寝よう…。

明日も仕事があるし…それに明日は
そう思った瞬間ズキッと胸が痛んだ。

先生の誕生日……どうしよう。

あんな状態でパーティーに
出席してくれるだろうか?

本当は、私達がこっそり手紙を置いて
抜け出すはずだった。

その手紙を見てホテルに来てもらい
サプライズパーティーになる予定だったけど
もう計画が台無しになっている。

私のせいで……。

睦月君を熱まで出させ
先生にあんな風に言われると
やめた方がいいのかな?と思ってしまう。

やっても迷惑になるだけでは…?

弱気になりながら部屋から出た。

すると隣の部屋が目に入る。
睦月君の部屋だ。

勝手に連れ回した上に
喋り過ぎて熱を出させるなんて情けない。

心配になりソッと部屋を覗いた。

様子を看て大丈夫そうなら
すぐに部屋を出るつもりだった。

ガチャッと少しだけ開けると

ベッドのそばで先生が
椅子に座りながら眠っていた。
腕を組みながら眉を寄せている。

睦月君の看病をしていて
そのまま居眠りしてしまったのだろう。

このままだと風邪ひいちゃうわ!?

私は、慌てて自分の部屋に戻り
ブランケットを取り出した。

ソッと先生のそばまで行く。

睦月君を見るとスヤスヤと眠っていた。

頭には、熱冷まシートを貼ってあり
さっきより顔色もよくなっていた。

(良かった……大丈夫そうね)

ホッと胸を撫で下ろした。