どうしよう……サプライズがバレてしまう。
でも、こうなったのも私の責任だし……。
そうしたらぐったりしているはずの睦月君が
「お姉ちゃんを……怒らないで。
僕も…楽しみに…してたから」
苦しそうな声で言った。
睦月君……。
先生は、それを聞くと
ハァッ…と深いため息を吐いた。
睦月君を抱き直して背中をポンポンと叩いた。
「予想は、大体つく。
ったく……頼んでもないのに勝手な事をしやがって」
そう呟くと家の中に入ってしまった。
勝手なこと……?
確かに先生から頼まれていないし
勝手な事かも知れない。
そのせいで睦月君に熱を出させるなんて
本末転倒だ。
本来は、先生を喜んでもらい
前を向いてほしかっただけなのに。
気づいたら、ただ迷惑しかかけていない。
何やっているのだろう……自分。
涙が溢れてきた。
どうして私って……いつもこうなのだろう。
やること、どれも空回りしてしまう。
情けない……。
溢れてくる涙を拭きながら
自分の部屋に戻った。
そしてベッドに潜り込むと声を殺して泣いた。
しばらくすると先生がノックをしてくる。
「おい。夕食出来てるが食べないのか?」
「お腹が空いて無いので……いいです。
すみません…」
食べる気にはなれなった。
先生は、それ以上何も言わなかった。
泣いているのに気づいたのかもしれない。



