黒木マネージャーの部屋は三階の道路側の端。

つまりは私の部屋の向かいなんだけれども。



うっわぁー。なんでこんなことに!?
緊張するよー!!飯なんて突然言われて作れるのかぁっ!?私っ!!



ガチャっ。


鍵の開く音とともに、マネージャーがどうぞ。とでも言うようにドアを開け、私を中へ入るように促す。


「おっおっじゃましまぁーす…………」


「早く進めよ。おっせーなっ。」


もたもた靴を脱ぐ私を急かしながらマネージャーは奥の部屋へと入っていく。


私もその後に続いて奥の部屋へと。


電気がパッとつけられて、その部屋のオシャレさにビックリする。


「なにこれー!!めっちゃオシャレ!!すごーい!!」



そこはリビングだったのだか、


壁紙はレンガ柄


さりげない観葉植物


皮の茶色のソファー


飾られたオシャレな写真やアート


ただの電化製品もどれも、センスのいいものが並んでいる。



「さすが天下の花光百貨店のマネージャー様っ!!ちょー好みですっ!!この部屋っ!!」


私が興奮して、キャーキャー言ってると


マネージャーはスーツの上着を脱ぎネクタイを緩めた。


そして私の手をとり引き寄せ


腰に手を回すと


「………じゃあいっしょに住むか?」



私は突然の事に言葉がでない。


顔に全身の熱が集まってきたかのように


顔が熱い。


顔だけではない。耳も。もぅ、全身が焼けるように熱い。


「…………飯が旨かったら採用してやるよ。

下僕として。」





げ、




げ、




下僕ー!?!?




なんて言う心臓に悪い冗談なんだ!!


私はマネージャーの胸をドンッと叩く。



「ってぇーなぁ。早く作れよ。冷蔵庫の中の使っていいから。着替えてくる。」




そう言ってマネージャーは隣の部屋へと入っていく。



あーもー!!



心臓が痛いっ!!