無色透明の瞳で、ナイフについた血を拭う。

「やあ、ご苦労さん」

声の方を振り返ると予想通りメガネをかけた、つり目の美人がいた。

若く見えるけど一応三十手前で、化粧で年齢をごまかしているのが現状だ。

言ったら殺されるから言わないけど。

名前は知らない。

ただ僕はこの人を先生と呼ぶ。

「どうだった?今回の美少女は」

…別に。
人を殺すことは慣れているみたいだったけど、そのおかげで狙う場所丸分かりだし。
そもそも、慣れていると言っても所詮趣味の範囲だよね。
絶対的に経験が足りな─
「つまり楽勝だったってことね」

…まあ、そうだけど。