「じゃあ、明日からよろしくな。」




「あっ、は、はいっ!!わかりましたっ。」




さっきの朔弥くんの表情が頭から離れない。




顔が熱い...のは気のせいだと思いたい。




「...とりあえず、その敬語直せ。」




「あ、つい癖で...。」




知らない人や顔見知りじゃない人に同い年でも敬語を使っちゃうんだよね。




「あと...。」




「え？」




何かを書き出した朔弥くん。




よし、と独り言をつぶやいた後、




「ん、やる。」




と小さめの紙を渡される。




「あの...これは...。」




手元の紙に視線を落とすと、そこに書いてあったのは朔弥くんの電話番号とメールアドレスだと思われるものだった。




「フリとはいえ、一応彼女だからな。」




『彼女』...。




今まで恋とかしたことがなかったから彼女だなんて、なんだか新鮮だな。




こうして、二人の偽りの関係は始まった。