優李side


「バイバーイ。」


「一緒に帰ろーぜー!!」




今日は高校2年としての始業式と新1年生の入学式。




長い長い式を終えてみんな下校の最中。




「あ、優李ー!!一緒に帰ろー!!」




私に声をかけてきたのは、小学校の頃からの友達の新島 葵。




「葵ちゃん。うん、一緒に帰ろ。」




快く返事をすると、明るくにっこりと笑って私の右隣を歩く。




「いやぁ、長かったなぁー...。パイプ椅子に座ってたとはいえ、おかげで腰が痛い。」




大きく伸びをしながら少しお婆ちゃんじみたことを言う。




「ねね、帰りにどこかに寄ってかない??あ、いや無理にとは言わないから...。」




と言いつつも、目は正直にキラキラしている。
きっとどこかに新しいお店ができたから行きたいんだろうな。




「いいよ、行きたいところがあるんでしょ??」




「やった!!優李大好き!!」




「んもう、調子が良すぎるよー葵ちゃん。」




「えへへ、ごめんごめん。」




明るくて、少しお調子者だけど面白い葵ちゃんが大好きだ。




いつもの帰り道とは違う道を歩いていたその時だった。




「藤村優李!!」




突然後ろから大きな声で私の名前を呼ばれた。




「えっ、な、何っ...??」




とっさに後ろを振り向くと、見知らぬ男の人がたっていた。