「ふー、ふー」 息を吹きかけコーヒーを冷ます。 隣に座る忍ちゃんはアイスコーヒーをブラックでグイッと飲み干した。 「いつまで冷ましてんですか。男なら一気に飲み干しなさいよ」 「僕猫舌なんだよ」 「聞いてません」 そろそろいいかな。 缶にそっと口をつけ、少しずつ、ゆっくりと、コーヒーを飲んだ。 まだ熱いけど、ゆっくりなら何とか……。 「一気、一気」 手拍子つきで煽られる。いつもの調子でグイッと缶を傾けた。 「あづっ!」 熱さに負けた僕を、忍ちゃんは蔑むような目で見てきた。