「よかったですね。すごく愛されてるじゃないですか」

「全然よくないよ! オートロックマンションで鍵のかかった部屋の壁だよ! 怖いの一言だよ!」

「てかうちに来てどうするつもりなんですか。当然ですが、私がそれをしたわけじゃありませんよ」

「あんな部屋、怖くていられない。新しい家見つけるまで泊めてよ」
「嫌です」

「即答!?」

「当たり前でしょう。別の人を探してください」

「無理無理無理!
どれだけ勇気出してここまで来たと思ってんの!」

「知るか」

首根っこ掴まれ、玄関に向かって引きずられた。
先輩が困ってんだから助けてくれてもいいじゃん!