ーーー 23時。 音もなく忍び寄り、両手で彼女の目を隠した。 「仕事の邪魔をするな!」 「ごもっとも!」 肘を鳩尾に喰らわされ、咳込む。 こいつに死角はないのか。 「……菊池さん? どうしているんですか?」 「ご、ご飯…買ってきた…」 息絶え絶えになりながら袋を渡す。 こんな時間に開いてる店も限られていて、仕方なく牛丼を買ってきた。