「えっと…ボクシングジム?」 走り終えた忍ちゃんが入っていったのはボクシングジム。 某チャンピオンが通っていたと噂の場所だ。 確かあまりにも希望者が多すぎて、厳しい入門試験があったはず。 大の大人ですら苦戦するその試験に、忍ちゃんは合格したのかな。 大きなガラス窓の向こうでトレーニングをする人々の中、確かに忍ちゃんの姿があった。唯一の女性だ。 彼女はひたすら黙々とサンドバックに向けてパンチやキックを繰り出していた。