「菊池さん」 「ひぃいいい!」 声をかけられ、心臓が弾け飛ぶかと思うくらい驚いた。 確実に寿命縮まったじゃん。 「朝からやかましい。近所迷惑ですよ」 「誰のせいだと…」 ビンタされながら悪態をついた。 「それにしても…朝から忙しかったんですね」 昨日と同じスーツ姿。腫れた頬。 朝帰りで尚且つトラブったってことは一目瞭然。 忍ちゃんはそのトラブルに気付き、あえて傷口を抉るような嫌味を吐いてくる女だ。