「陽菜どこ行くの〜??」


聞いても返事すらしない陽菜。



着いたのはさっきあたしがいた

運動場。




野球部の掛け声。

カキーンと打つ音が響き、

その横にサッカー部。

そしてラグビー部。



テニス部のラケットの打つ球の音が

青空と調和していた。



「ほら!!あそこ、笹川君。あっちには櫻井。どっち見て胸モヤモヤする??」





サッカーをする笹川君。


リフティングやトスを
軽々こなしていた。


やっぱりかっこいい。


そして、先生。


部員と仲良く話しながら

コート整備している。


笑顔が優しい。


やばい胸がモヤモヤしてしまう。



「先生見たらモヤモヤした。」

とあたしが、言うと‥‥



陽菜はあたしの目を見て、


「笹川君じゃなくて、先生好きな証拠。胸がモヤモヤするのは告白現場見られたっていう罪悪感だよ。」



確かに‥‥‥‥‥




先生には見られたくなかった。

他の男子と喋ってる所

見られたくなかった。



「あくまで、あたしの見解。付き合うか付き合わないかは眞実次第だから!!!」


と言うとあたしに飛び付いた。


「だけど‥眞実ちゃんと考えなよ。これがいいチャンスだ。先生との略奪愛かそれとも普通の青春か‥‥‥‥」




確かに‥‥‥

今決めなきゃ。


ちゃんと前に進まなくちゃ。



あたしはこくんと頷き、

また陽菜に抱き着いた。