『___だ。分かったな?最後に注意事項だ。ここから逃げるなんて考えるな。もうお前らは、逃げられない。』
うわぁ……だめだ。説明を全て聞き逃した。耳なんか傾けてみても今さらだ。完全に後の祭り状態。
今私が分かっているのは、ここに来る前に得た情報と、声が最後に言った逃げられないという言葉だけ。
逃げられない。にげられない。ニゲラレナイ。
生きるか、死ぬか。
多分、というか誰も死にたいとは思ってないはず。
その証拠に誰もが青ざめ、震えている。
「ふ、ふざけるなっ!誰がそんな話信じるかっ!」
その時、ガタッと音を立てて椅子が倒れた。
私の1人はさんで右側にいるスポーツ刈りのがっしりとした男の子。
そのにぎりしめた拳は怒りで震えているのか、はたまた恐怖からくるものなのか。
『るっせぇなぁ…殺すぞ。早く座れ』
息を飲んだのが聞こえた。
下手に行動したら確実に殺られる。
この場にいる全員がそう確信した。
このゲームが本当なのかどうかじゃない。
まずはこの声の主に、殺られる。
『……自由時間は2時間。なにかあれば放送する。』
スピーカーを通してクツクツと喉を鳴らすような笑い声が聞こえた。
『さぁ、狂気のゲーム……………スタートだ』
