あれからどれぐらい経ったのだろうか。


私は冷たく固い床の感触で目を覚ました。




あれ?私床でなんて寝てたっけ…?


重い瞼をこすり、そっと目を開けた私の目に映ったのは


「ど、こ?……ここ…」

どこもかしこも真っ白に塗られた部屋に、真っ黒のテーブルと椅子が並べられただけの異様な光景だった。

しかも連れてこられたのは私だけじゃないようで、周りには何人もの人が倒れていた。
見たところみんな同年代のような気もする。


私は慌てて立ち上がるとすぐそばにいた女の子の身体を小さく揺すった。

「大丈夫ですかっ?」


必死で呼びかける私に、うーんと小さく唸りながらもこちらに顔を向けた。


「!?え?…美深?!」



驚いた。
そこにいたのは私の親友、神宮美深(じんぐうみゆう)だった。


混乱していて気が付かなかったが、よく考えれば前髪を作らずに横に流していたり、このサラサラのショートカットはいつも顔を合わせていた相手だった。

美深が目を覚ましたのを合図としたように次々と皆起き上がり始める。


誰でもこんな状況に突然置かれたら混乱はするだろう。
悲鳴を上げるものもいれば自身の頬を思いっきり引っ張っている者もいた。


私は一旦冷静になり深呼吸をして自分を落ち着かせると、もう一度あたりを見まわしてみた。



ん………?あの後ろ姿…

まさか、ね……。


とてもあの人と似ていた。でももしそうなら声くらいかけてくれるはず。

私は考えを振り払うように軽く頬を2回軽く叩き、気を取り直してもう一度よく見始めた。


ここにいるのは全部で12人…まさかとは思ってたけどやっぱりこれ、あのゲームなんじゃ………