恋とは停電した世界のようです




お鍋を食べ終わったあと
兄とルーカスさんが後片付けを申し出てくれた。

初対面の女性とふたりきりになったことで
なにを話せばいいのわからず、
ただ目の前に映し出される歌番組を眺めていると

「今日は急にごめんなさいね」

控えめな、おっとりとした声が耳に触れた。

「え、あ、いえ…そんな全然」

「わたしからお願いしたの。拓哉さんの妹を見てみたいって」

「はあ」

「そうしたら彼、じゃぁ今から来ればって。
ルーカスもいるだろうから、みんなで一緒に晩ごはん食べようって誘ってくれたの」

「そうだったんですか…」

なるほど、と頷いたあと
彼女の言葉に、ふと疑問を感じて

「あれ、じゃぁお兄ちゃんはルーカスさんが今日来ることを知って?」

「そうね。聞いてたみたいよ」