恋とは停電した世界のようです


本当は、ずっと謝らなくちゃいけないと思っていた。

彼女がいることを知りながら
知らないフリをして

期待したのも
傷ついたのも

ぜんぶ

わたしの勝手な
感情でしかないのに――…



「本当に、ごめ…」

「麻友子さんは悪くないです」


こちらが戸惑うぐらいの、はっきりとした口調で
ルーカスさんが告げた。


うつむいた視界の中、ふっと影が降ってきた途端に
ルーカスさんの靴が映る。


「…え?」


そろそろと視線をあげて彼の顔を見上げると
しっかりと意思をのせた瞳の彼が、そこに居た。