恋とは停電した世界のようです


「麻友子さんと、どうしても話がしたくて…」

申し訳なさそうにな声と一緒に
じっ、とこちらを見詰めてくる瞳には
いつも浮かんでいるはずの穏やかな色が消えていた。


もしかしたらお兄ちゃんが
わたしの様子を話したのだろうか…?

それとも、今後の付き合いを考えてのことだろうか…

どちらも予想できて、だけど
どちらが正解なのかまでは、わからない。


長い長い沈黙が降り積もったあと
ほんのすこしだけ頭の中が冷静になって

「あの、ルーカスさん」

そろりと窺うように呼ぶと
彼の視線が、いっそう強く瞳に触れた。


「この前は…困らせてしまって、すみませんでした」

詰まりそうになりながら紡いだ声は、
微かにふるえて

わたしたちのあいだに、落ちた。