どうやら味というのは
食事をする相手によって変わるものらしい。
得意とは言い難いテーブルマナーと好きな人のセットで
緊張して味なんて分からないかもと予想していたのに
何度か彼と食事をする内に、
自然と精神的な部分は慣れてしまったみたいだ。
それでも、まったく緊張しないといえば
嘘になってしまうのだけれど。
ちらりとルーカスさんを見ると
泳ぐような軽やかさでナイフとフォークを動かしていた。
毎日、こうして彼と一緒にごはんを食べれる人がうらやましいと思った。
ルーカスさんを好きになってから
わたしは彼の周りの人に対して、つまらないことで妬いてしまう。
良くないと分かっているのに
左の胸に棲みついた魔物が、どんどんふくらんでいく。
