その日は、
兄とルーカスさんがキッチンに立った。


めずらしい光景に始終そわそわして
「大丈夫?」と声をかけては「いいから大人しくしてろって」とソファーに戻るように促される繰り返しだった。


ふうふうと息をふきかけながら
「温まるね」と3人でうどんを食べ、
デザートにハーゲンダッツを食べた。

兄はストロベリーで、
ルーカスさんは抹茶を
わたしはチョコブラウニーを選んだ。

ルーカスさんは

「日本に来てから、
こんなにおいしいアイスを食べるのは初めてです」

と感動した様子でアイスを掬っていたので
わたしもお小遣いが入ったら抹茶アイスを食べてみよう、と密かに決めた。


そんなふうに、最近は3人で過ごすことが増えてきたなぁと思っていた矢先だった。


きっかけは
ルーカスさんとわたしが出会ってから
2ヶ月の真ん中を過ぎた、冬の日だった。