恋とは停電した世界のようです



ルーカスさんと食事をしてから
なんとなく眠れない日が続いた。

なんどもなんども意味のない夢を見ては
体の疲れが抜けないまま、目が覚めてしまう。

その日も同じように、内容のない夢を見て
ただ、いつもと違ったのは自分の咳き込む音で目が覚めたことだった。

重い体をむりやり起こして
そっとカーテンをめくると
まだ夜が明ける前の、いちばん暗い時間帯だった。


水が欲しくなってリビングに降りると
ふたりでしか暮らしていない家の中は
音を失った世界のように、シンとした静寂に満ちていた。