何度も文章を読み返したあと、送信へと指をすべらせた。

返事を待っている間、私もルーカスさんから借りたCDを聴くことにした。

正直、英語の成績はあまり芳しくなくて
歌詞も全然分からなかったけれど

パソコンの再生ボタンを押した途端、
オルゴールのような可愛らしい前奏と
日曜日の午後を思わせる穏やかな歌声が部屋に満ちた。


早くもなく、かといって午後に近いわけでもない
あいまいな時間帯に窓辺に座って、ゆっくりとコーヒーを飲む。

流れ込んできた風に、ふわりとカーテンが膨らんで前髪が掬われていく

そんな情景を想像させるような曲だった。

目を開けると、最初からそこには居なかったような儚さで詞を口ずさむ歌い方は
耳に心地よくて

ぼんやりと耳を傾けていたら、次第に
うとうとと眠気が降りてきた。

きっと緊張が解けたせいだな、と感じながら
携帯に触れる前に
世界から、まぶたを閉じた。