そこには赤い絵文字もシンプルな顔文字もなかったけれど
丁寧に書かれた文章からはルーカスさんの雰囲気が淡く滲み出ていて
心臓に、お砂糖がこぼれた気がした。
「こちらこそ、おいしいお蕎麦ごちそうさまでした。
送っていただいて、すみません。
魔法の料理は、わたしも大好きな曲です!
小さい頃を思い出したり、
年を重ねるたびに好きになりそうな曲だな、って…」
ルーカスさんに渡したのは
BUMP OF CHICKENのアルバムだった。
Mr.Childrenと迷って、でも結局は違う方を選んだ。
健全な穏やかさよりも、
彼のひっそりとした話し方や
こちらを、そっと気遣うような仕草は
なんとなくBUMPの方が近いような気がしたからだ。