待ち合わせの時間が来るまで、近くのスターバックスに寄って
暇をつぶすことにした。
キャラメルソースを落としたホワイトモカは特別にあまくて、舌にやさしい。
ただ、1分を過ぎるごとに
前髪やリップの色が何度も気になってしまう。
携帯ゲームにも集中出来なくて、そわそわとしていたら
あっという間に時計の数字が約束の10分前に変わっていた。
*
待ち合わせ場所に近づくとルーカスさんが既に立っていた。
グレーのスーツに黒いコートという、一見重くなりそうな色合いは
綺麗にセットされた金髪と胸の赤いネクタイが否定していた。
「すみません、待たせてしまって」
小走りに駆け寄ると
「大丈夫デス。今来たところですよ」
と彼は目尻を、ゆるくほころばせた。
なんだかデートの待ち合わせみたいな会話だな…と思ったら
うっかり頬がゆるみそうになったので、慌てて唇を噛んで表情を元に戻すと
ルーカスさんが少しだけ申し訳なさそうに
「急にメールを送ってスミマセンでした」
「いえ、兄から事前に聞いていたので」
「麻友子さんに直接お渡ししたくて、三澤さんにお願いしたんデス」
