恋とは停電した世界のようです


待ち合わせの時間が来るまで、近くのスターバックスに寄って
暇をつぶすことにした。

キャラメルソースを落としたホワイトモカは特別にあまくて、舌にやさしい。


ただ、1分を過ぎるごとに
前髪やリップの色が何度も気になってしまう。

携帯ゲームにも集中出来なくて、そわそわとしていたら
あっという間に時計の数字が約束の10分前に変わっていた。





待ち合わせ場所に近づくとルーカスさんが既に立っていた。

グレーのスーツに黒いコートという、一見重くなりそうな色合いは
綺麗にセットされた金髪と胸の赤いネクタイが否定していた。


「すみません、待たせてしまって」

小走りに駆け寄ると

「大丈夫デス。今来たところですよ」

と彼は目尻を、ゆるくほころばせた。


なんだかデートの待ち合わせみたいな会話だな…と思ったら
うっかり頬がゆるみそうになったので、慌てて唇を噛んで表情を元に戻すと
ルーカスさんが少しだけ申し訳なさそうに

「急にメールを送ってスミマセンでした」

「いえ、兄から事前に聞いていたので」

「麻友子さんに直接お渡ししたくて、三澤さんにお願いしたんデス」