「道徳的にはね。でも感情的には諦められないでしょ?
だったら押してみるのもアリ!!」

「うーん…」

「ダメなのは、相手の彼女を乏しめること。

もし相手が愚痴ってきたとしても
相手の話の中から彼女側の視点に立って、彼女を褒めて褒めて褒めたおすのよ!!

そうしてる内に、そこまで褒められるほど良い彼女じゃないんだけどなぁ…?
って疑問が浮かんできて、

むしろ相手のことを悪く言わない子に、この子は絶対悪口言わないなぁ。
いい子だな。って気持ちが変わっていったりするんだから…」

「そ、そんな器用なことできないよ」

「なに言ってんの。恋愛は心理戦なのよ。思いやりだけじゃ成り立たないんだからね!」

びしっ、と言われて怯んでいると
1時間目を知らせるチャイムが教室に鳴り響いて
担当の教師から席に戻るようにと促されてしまった。