恋とは停電した世界のようです


わたしの不思議そうな視線に気がついたのか
それまで茶器を扱っていたルーカスさんが
ふっ、と顔をあげて

「妹が、よく泊りにくるんです」

「え…っ」

「なのでパジャマもですが…他にもいろいろ揃っていると思うので、必要なものがあれば使ってくださいね」

「あ…そう、だったんですね」


なんだ…そっか
いもうとさんの、なんだ…

ほっとした瞬間、濁りかけていた胸が
あかるい色に移り変わる。


「あ、あの…それならお化粧水、お借りしてもいいですか?その、実はさっきから乾燥して顔が痒くて」

「ええ。洗面台にあると思うので」

「すみません、ありがとうございます」

図々しい気もしたけれど、つめたい空気に触れた頬が
次第にヒリヒリしてきたので
ルーカスさんの言葉に、あまえさせてもらうことにした。