濡れた髪を拭きながら、リビングに顔を出すと
カチャカチャと食器の触れる音がした。
「お湯加減、大丈夫でしたか?」
「あ、はい…ちょうどよかったです。それに着替えまで…ありがとうございます」
「いえ。まだ使ってないものがあったので」
にっこりとわらいながら、ルーカスさんは
ティーカップにコポコポと紅茶を注いでくれた。
バスルームを出ると、淡いぴんくのパジャマが
用意されていて、ありがたかったけれど
それ以上に、いったい誰のものなんだろう?と思わずにはいられなかった。
(…もしかして、カノジョさん、とか?)
考えた途端、ジクと
いちばん柔らかい部分をフォークで刺されたような感覚になる。