「ピックを持って弾いても弦が触れるので、すぐに爪が痛んでしまうんです。
そのせいか爪が あまり伸びなくなってしまって…。
逆に、伸ばした爪で弾くと弦を傷つけてしまうので伸ばせないですね」
「へぇ…知らなかった」
「今は塗ってないけど、弦楽器をやる人は
大体、透明なマニキュアやトップコートを塗る人が多いんです」
「そうだったんだ…」
ほう、と感心したように息を吐くと今度はルーカスさんが
「麻友子さんは楽器やらないんですか?」
「う~ん、学校帰りに友達と、たまーにカラオケに行くぐらいしか…」
「ああ、去年会社のボウネンカイで初めて行きました」
「ルーカスさんは、どんな曲を歌われるんですか?」
「僕自身は歌うよりも聞く方が好きなので…ただ、発音のしやすさでいえば洋楽ですね」
「洋楽…」
「ヴェルヴェット・アンダーグラウンドというバンドのメロディーが好きで、最近はそれをよく聴いてるかなぁ」
「帰ったら探して聴いてみますね」
そう零すと、ルーカスさんは
こくりと一口コーヒーを飲み込んで
「もし、麻友子さんが迷惑でなければ…うちにアルバムがあるので」
