恋とは停電した世界のようです


席に戻ると、コーヒーと紅茶がテーブルの上に運ばれていた。

スティックシュガーの端を、トントンと叩いて
コーヒーに砂糖を落とす目の前の指先に

「そういえば、ルーカスさんって指きれいですよね」

「指、ですか…?」

「最初会ったときから思ってたんです。爪もきちんと切り揃えられてて、きれいだなぁって」

そこまで言ってから、じっと見ていたのが
伝わってしまったのかもしれない。と後悔して
ちらりと視線を動かすと、彼は特に気を悪くしたふうもなく

「楽器を弾くので、爪は自然と短くなるんです」

と小さくわらった。


「楽器…なんのですか?」

「ギターですよ」

「ギター!」