「これ、俺の友達。ルーカス」
「ハジメマシテ。夜分にスミマセン」
カタコトの日本語と青い瞳に、自然と言葉を失う。
もうすぐ日付が変わろうとしている夜の深さの中で、
彼の金髪は僅かに白っぽく輝いていた。
「え、えと…初めまして」
「三澤さん、ヒトリじゃ心配だったので
一緒に来ました」
「あ、ど、どうも…」
三澤は私と兄の苗字だ。
兄の様子と彼の言葉からするに、
どうやら酷く酔った兄を見兼ねて家まで送り届けてくれたらしい。
ぺこりと小さく頭を下げると
少しだけ困ったようにルーカスさんの目尻がゆるんだ。