恋とは停電した世界のようです


そういえば、と前々から疑問に感じていたことを口にしてみる。


「ルーカスさんは、どうしてそんなに日本語が上手なんですか?」

「母がポルトガル人で父が日本なんです」

「なるほど…」

納得した様子のわたしに、
今度はルーカスさんが遠慮がちな口調で

「麻友子さんのご両親は、ずっと海外ですか?」

「ちょうど一年ほど前からです」

「…そうでしたか」

「最初はお料理慣れなくて、お兄ちゃんに渋い顔されてました」

「渋い…?」

ほんのりと首を傾げられてしまい
慌てて、違う言葉を探す。

「あ、えーっと…要するに、ここにシワが沢山寄っちゃうような顔になるってことです!」

トン、と人差し指で自分の眉間をつつきながら難しい顔をつくってみせると
やっと意味が伝わったようで、ルーカスさんの瞳が丸く変わった。