6:30

ピピピピ!ピピピピ!ピピピピ!

目覚まし時計が鳴った。

今日は待ちに待った入学式。

今日失敗すればこの1年、いやヘタすると卒業までぼっちになりかねない。

「ん〜!よしっ!」

ほっぺたを軽く叩き部屋を出た。

「お母さん、おはよ〜」

「おはよう。永久、入学式なんだからしっかりね〜」

にっこりと笑いかけてくれるお母さん。

「うん!今日から高校生だもん!」

そう言いながら椅子に座る。

今日の朝食は食パンだった。

そばにはサラダと…

「あっ!うさリンゴだぁっ!」

うさぎの形をしたリンゴ。小さい頃から大好きだった。勝負時にはいつもこれだっけ。

「…そうよー!永久、これ大好きでしょ?」

「えへへ〜♡これで今日絶対頑張れるよっ!」

ガッツポーズしてみせた。

お母さんは微笑んで、

「うん。」

とだけ言って頷いた。

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ひと通りの準備を終え、部屋に戻った。

「ふぅ…」

しん、と静まり返った部屋に時計の秒針が動く音だけが響く。

私は読者モデルをやっている。

撮影のため時々学校を休まなくてはいけないときもあった。

だから、勉強にも遅れるし、友達だってできない。

でも、モデルをやめる気はないし勉強だって自分なりに頑張ってる。

ただ友達だけはそう簡単には得られない。

そんな自分がイヤでイヤで仕方がない。