『はぁ???さよならした???』

ベットから飛び起きる沙也加。その右手には携帯電話が握られていた。受話器の向こうは久美だ。

『なんでよ?』

沙也加がベットに腰をかけて聞いた。

『そんなの、当たり前だよ。私は汚れちゃったし、卓也には夢があるもん。』

『ちょ、バカじゃないの!そんなの気にするような男じゃないでしょ!』

沙也加は呆れたように言った。

『わかってる。わかってるから余計にだよ。』

久美は申し訳なさそうに言った。

『で、卓也君はなんて?』

『何も…。顔なんて見れないよ。』

『まったくもう。また連絡する。』

沙也加はそう言って電話を切った。