部屋にはギシギシと一定の音がこだまする。放心状態の久美をよそに加川は行為を続けていた。軽くホッペにキスをする。そして耳元で囁いた。

『これで、久美ちゃんは俺の女だ。』

加川はそのまま激しく腰を振って、久美の中で果てた。ドクドクと久美の中に体液が注がれる。
久美の目から一粒の涙が流れ落ちた。

それから、久美は加川と付き合う事になった。それにも理由があった。
次の日、学校で、加川の彼女から呼び出される。もちろん加川が頼んだ偽彼女だ。そこで一芝居が打たれる。偽彼女の言い分はこうだ。泣きながら、あなた達が本当に好きになって、結ばれたなら私は身を引きます。そのかわり、絶対、幸せになって。約束だよ。と言われたのだ。

久美は偽彼女と指切りげんまんをして、真剣な表情でうなづいた。どんな理由があるにせよ、自分の行動が招いた事に責任を感じていたのだ。
ここに哀れなカップルが成立した。