朝と昼と夜。〜昼〜

家庭保育当日、歩美が卓也に近づいた。

『頑張ってね。』

歩美がニコッと笑う。卓也の背筋が伸びる。

『はい。頑張ります。』

『ハハッそんなに気を張らなくても良いよ。』

『いや、ヒマワリ園に迷惑を掛けないように頑張ります。』

歩美は卓也の頑張りを知っていた。誰よりも早く出勤している事も、夜遅くまで資料に目を通している事も。そして、一回目の家庭保育で色々な目にあっている事も。

『家庭保育は嫌?』

歩美が尋ねる。

『嫌って言うか…奥様方が…その…』

答えにくそうな卓也に変わって歩美が言う。

『お母さん方のセクハラが耐えれない?』

『え?…あ…耐えれないと言うか、正直、そういう風に見られるのは…悲しいです。』

まっすぐな歩美の視線に卓也は下を向いた。

『残念ね。そこで立ち止まる程度なんだ。』

『え?』

歩美はそう言って、卓也を置いて職員室に入っていった。

『何が出来るって言うんだよ…』