「汐里ちゃん、わたしがいること忘れてたでしょー。完全にふたりだけの世界だったよ」
「そ、そう?見てた?」
「全部見てた」
「キス…されそうになったのも?」
「うん」
桃佳がうるさいので、結局昼寝はできなかった。
翌日、点滴は外れ、院内なら歩いても良いと主治医から許可が出たので、桃佳と一緒に、院内を散歩して回った。
病院の外れの一角に『院内学級』というのがあって、数人の子供たちが授業を受けていた。
「桃佳は?院内学級には行かないの?」
「ずいぶん長い間さぼってる。最近は何も言われなくなった」
「行きたくないの?」
じっと座ってるのが性に合わない、そうで。

