「汐里ちゃん!」 聞き覚えのある声がしたと思ったら、ふわっと抱きあげられた。 ……吉原さん。 「吉原さん…気持ち悪い……」 「うん。しゃべらないで。大丈夫だから」 あの時と同じ、清潔な消毒薬の匂い。 見上げた表情の真剣さ。 目を閉じると、闇が降りてきて、わたしはそのまま気を失った。