ドアを開けて入ってきたのは吉原さんだった。 「僕ジェンガ好きなんだよねー。勤務中じゃなければなあ」 にこにこ笑いながら近づいてきた。 「桃佳、検査の時間だよ」 「えーめんどい」 「めんどいじゃないでしょ。身体のことなんだから」 「…はーい」 「いい子」 吉原さんは、桃佳の頭をくしゃっと撫でた。 吉原さんは誰にでも、いつでも優しい。 看護士さんは天職だと思う。 でも、それに心乱されるわたしがいるのも事実。