出会えたのは、運命。
吉原さんの言っていた通り、出会いはすべて運命だと思う。
じゃあ、好きになってしまったのも?
それも運命?
残酷な神様が与えてくれた、叶わぬ恋。
想いを告げたらどうなるだろうか。
拒否されたらと思うと踏み出せない。
わたしは歩くのがOKになったので、よくナースステーションに通うようになっていた。
申し送りの時の真剣な顔の吉原さんを見るのが好きだった。
それが終わると、吉原さんは、わたしに向かって毎回手を振ってくれた。
手を振り返しながら、切ない気持ちになる。
すき。
そう伝えられたら、どんなにいいだろう。