「吉原さんって、次、いつ来るのかな?」
平静を装って聞いたのだけれど、頬が熱くなったのに、桃佳は気づいたようだった。
一瞬間をおいて、桃佳は「汐里ちゃん、わかりやすすぎー」とほわんと笑った。
「ち、違うよ!お礼言ってなかったから…その…泣いちゃったし…」
「んー、昨日夜勤で今日が明けってことは、明後日くらいかな?わかんないけど」
「そっか」
「当日の看護士さんの勤務状況は、ナースステーションの窓口に書いてあるけどね」
「さすが詳しいね」
「だてに15年いない」
「お局だな」
「なんかそれおばさんみたいでヤダ」
ふたりで笑いあう。
笑える日なんてもう来ないと思っていたのに、
生きていればいいことって、あるんだな。

