「傷に障るから、おとなしくしているんだよ」
頷くと、吉原さんは微笑んだ。
「いい子」
あたまをくしゃっと撫でられる。
「じゃあ、僕もう行くね。あと2時間くらいで帰っちゃうけど、何かあったらナースコールしてね」
あ、そうそう、と吉原さんが振り返る。
「今日は朝御飯食べられないからね。桃佳のそのアメもだめだよ」
吉原さんは、台の上に乗ったアメを指さして言った。
あの子桃佳っていうのかな?
アメ見ただけでわかるってことは、有名なんだろうか。
「はーい」と部屋の奥から女の子の声がした。
「はい、オッケー。またね」
吉原さんは去って行った。

