このまま、部屋に着かなければいいのに。 ずっとこのまま、吉原さんの心音を感じていたい……。 そんなわたしの思いも虚しく、すぐに部屋に着いてしまった。 吉原さんはわたしをベッドに寝かせると、 「ちょっと傷見るね」 と、わたしのお腹のガーゼを慣れた手つきで外した。 「大丈夫みたいだね。もうだめだよ、あんなことしちゃ」 「はい」 「まったく汐里ちゃんってば見かけによらず暴れん坊さんなんだから」 頭をポンポンと叩かれる。