吉原さんの手を両手で握って、その目を覗き込む。
「汐里ちゃん……」
「吉原さんのおかげで今日まで生きてこられた。吉原さんが、わたしを救ってくれた」
大好きな、大きくて少し冷たい手。
「わたしはこの手に勇気づけられたの」
「僕は弱虫だ。汐里ちゃんが思っているような人間じゃないんだよ」
「弱くたっていい。わたしが吉原さんの欠けた1ピースになる」
「触れてはいけないと思いながら、何度も抱きしめた。本当は、キスだって、したかった」
「吉原さん……」
「だけど君は18歳の患者で、僕は看護士。汐里ちゃんの未来を壊すようなことはしたくなかったんだ」

