「あ、綾乃?試験終わったよ。これから出て来れない?」 わたしは電話で綾乃を呼び出した。 試験の帰り、駅前の喫茶店で待ち合わせをした。 10分ほどして綾乃がやってくる。 「別に走ってこなくてもよかったのに」 「試験、どうだった?」 「まあまあできたと思うよ」 「あー…よかったあ」 「綾乃がそんなに心配してどうするの」 「だって、汐里の人生かかってるんだよ」 綾乃はマフラーをたたんで、わたしの向かいの椅子に座る。