出口…出口…。 滅茶苦茶に走る。 裸足で走るわたしを、廊下を歩く患者たちが何事かという顔で見る。 「汐里ちゃん?」 聞き覚えのある声がした。 吉原さんだった。 吉原さんは、真正面から走ってきたわたしの腕を掴んだ。 「汐里ちゃん、何してるの!」 手を振りほどいて逃げようとしたけど、吉原さんは離してくれなかった。 しゃがみこんで、拒絶する。 「傷に障るでしょ。部屋に戻らないと……」 「離してよ」 わたしは力いっぱい吉原さんを睨んだ。