でもそのたびに携帯をベッドの上に投げ捨てて、勉強に専念した。
今はまだ会えない。
こんな中途半端なわたしじゃダメ。
ちゃんと合格してから会うんだ。
メルアドもらえたことだけでも奇跡なんだから。
自分が吉原さんにしてもらったこと。
自分が桃佳にしてあげたかったこと。
それを患者さんにしてあげる。
そのために看護士になる。
季節はいつの間にか秋に変わり、窓から吹き込んでくる風が涼しくて気持ちがいい。
ひと夏、心を焦がした温度を秋が連れ去っていくような気がして寂しかった。
机に向かいながら、「大丈夫、大丈夫」と自分を励ます。

