「桃佳と出会って『縁』が芽生えた。
今日の汐里ちゃんがいるのは、
桃佳のおかげでもあるんだよ」
ベッドに座って、膝の上で組んだ手の上に、吉原さんがそのてのひらを重ねる。
「それはとても大切なこと。
つらくても、生きることが大切なんだ」
吉原さんは、大人だから、きっと今まで大切なものをたくさん失ってきたんだろう。
それは奥さんだったり、のんちゃんだったり、死んでしまった患者さんだったり。
桃佳のことだって、失ったのはわたしだけじゃない。
吉原さんも一緒なんだ。
「吉原さん、ありがとう。
桃佳を失って悲しいのは、吉原さんも一緒なのにね」
「桃佳は本当に、頑張ったよ」

