「わたし、桃佳の苦しみなんて、全然わかってあげられてなかった」
「残された人がそういう風に思うことは多いんだ。
でも違う。大切な人がそばにいるだけ、
ただそれだけで幸せなことなんじゃないかって、僕は思うよ」
タオルを外して吉原さんを見る。
「桃佳が生きられなかった明日を、汐里ちゃんは生きるんだ」
「こんなにつらいならもうなにもかも投げ出したいよ」
「汐里ちゃん、いい?
今までどんなにつらくても生きてこられたのは、
それは神様に『生かされてきた』からなんだよ」
「『生かされてきた』?」
「そう、出会いと一緒で『運命』なんだ。
神様が君を生かそうとしている限り、
君は生きなきゃならない」
胸に沁み入ることばだった。

